この記事では弁護士の退職代行料金の相場と高額でも利用される理由についてまとめていきます。
- 料金が高くても弁護士の退職代行が利用されている理由が分かる
- 高い料金を払っても損はない弁護士事務所の退職代行が分かる
弁護士が行う退職代行は業者のサービスよりもどうしても費用は高くなります。
ですが金額に見合うメリットが沢山あるのも事実です。
あなたが安全に確実に会社への自分の希望も叶えた形で退職をしたいと考えるのであれば弁護士に依頼するのが最適です。
今回は料金が高くても弁護士事務所が利用される理由やメリットについてと過去に退職関連で裁判になった事例を紹介します。
あなたに選ぶべき最適な弁護士事務所の指針としてください。
- 弁護士の一般的な料金相場はどれくらい?
- 退職代行を弁護士に頼むと安心?業者にはできない強み4つ!
- 理由①弁護士法違反(非弁行為)の危険がない
- 理由②退職に失敗する可能性が低いというかほぼ無い
- 理由③退職に伴う手続きも丸投げ代行が可能
- 理由④嫌がらせや妨害からも守ってもらえる
- 弁護士の退職代行専門料金はお得なのか?
- 固定料金内の退職代行なら弁護士の方がお得か?
- 知らないと大出費もある金銭請求依頼の成功報酬は?
- 退職代行を使うと賠償請求される?過去事例を3つ紹介!
- 賠償過去事例①『ケイズインターナショナル事件』
- 賠償過去事例②『ラクソン事件』
- 賠償過去事例③『プロシード事件』
- 退職代行に弁護士は必要?
- 高い費用を払っても選ぶべき弁護士事務所は?
弁護士の一般的な料金相場はどれくらい?
項目 | 支払時期の目安 | 相場 |
相談料 | 相談時 | 5,000~10,000円/1時間 (初回無料の場合もある) |
着手金 | 正式に依頼する時 (委任契約書を作成する時) |
10万円~ 事件の分野、経済的利益の額によって異なる |
報酬金 | 事件終了後 | 経済的利益の額によって異なる |
手数料 | 契約内容によって異なる | 数万円~数十万円 依頼内容によって異なる |
時間制報酬 (タイムチャージ) |
契約内容によって異なる | 5,000円~30,000円/1時間 契約内容によって異なる |
実費 | 事件終了後 | - |
日当 | 事件終了後 | 3~5万円/半日 5~10万円/1日 契約内容によって異なる |
この料金表は弁護士が行う全ての業務を含む料金相場になります。
最近は退職代行専用料金を設定して代行業者との差を出来るだけ抑えた料金設定の弁護士事務所が増えつつあります。
それら専用料金プランを含めた相場と専用料金無の退職代行料金は以下の様になります。
- 退職代行用料金有:5万~8万円 別途成功報酬
- 退職代行用料金無:着手金、弁護士報酬、日当他 10万~数十万円 別途成功報酬
弁護士事務所の退職代行サービスを利用する場合は契約前にどれだけの料金が発生するかをしっかりと把握する必要があります。
退職代行を弁護士に頼むと安心?業者にはできない強み4つ!
弁護士が行う退職代行サービスは専用料金を設定しているとは言え、どうしても業者のサービスより料金が高くなってしまいます。
ですが、弁護士の行う退職代行サービスには業者の行うサービスに出来ない優れた点がいくつもあります。
ここでは弁護士の退職代行サービスが業者のサービスより優れている理由についていくつか紹介していきます。
大きく挙げられる退職代行業者より優れている理由としては以下の4項目があります。
- 弁護士法違反(非弁行為)の危険が無い
- 退職に失敗する可能性が低い
- 退職に伴う手続きの代行が可能
- 安全に退職ができる
これらの項目について以下で詳しく説明していきす。
理由①弁護士法違反(非弁行為)の危険がない
退職する時に会社と交渉をしたい場合、本人以外の代理人を立てる場合は弁護士にしかその資格が有りません。
資格を持たない人が代理人交渉する事は非弁行為に当たる為、犯罪行為になります。
退職に関する交渉事は依頼人によって様々ですが、その弁護士なら全ての交渉をあなたの代理人となって行う事ができます。
依頼者であるあなたの希望を実現させる為に会社と交渉を行い、問題が解決するまで任せておくことが出来ます。
以下は退職に関わる代表的な交渉事例です。
- 有給休暇の取得に関する調整
- 退職日の調整
- 未払い給料(残業代含む)についての交渉
- 退職金の請求
- 業務引継ぎについての調整
- 損害賠償請求された時の対応
- ハラスメント等に関する慰謝料請求
- うつ病などの労災認定
理由②退職に失敗する可能性が低いというかほぼ無い
退職代行業者は依頼者の退職希望を会社に伝える事で退職するのを代行します。
簡単に言えば、自分で退職すると言えない代わりに代行業者が退職すると伝えてくれるのが退職代行です。
あくまであなたの意思を代弁するだけしか出来ません。
ここでもし会社側が“退職代行の通知には対応しない”となった時は、代行業者としては出来る事が無くなってしまいます。
その為、退職代行業者を利用しての退職は困難な状況になってしまいます。
ここでの退職が困難になるのは“退職代行を利用した退職です。”
会社の退職そのものは、あなた自身が行う事で可能です。
弁護士であれば資格を持ったあなたの代理人ですので、会社と交渉を行って正式に退職が出来るように取り計らってくれます。
もし途中で不測の事態が起こった場合も対応してくれますので弁護士に任せておけば必ず退職する事が出来ます。
理由③退職に伴う手続きも丸投げ代行が可能
退職代行業者で退職を行う場合、依頼した日から会社に行く必要はありません。
しかし退職に関する書類の幾つかについては会社から取り寄せて記入したり、記入したものを会社に送り返す等の作業は依頼者自身が行う必要があります。
注)これらの書類関係の対応範囲は退職代行業者毎や契約内容等で異なります。
弁護士の退職代行であれば、これら事務手続きの一切についても弁護士に全て任せる事も出来ます。
全ての弁護士が行う退職代行が対応しているかは不明ですので、ご自分が利用する時には十分契約内容の確認を行ってください。
理由④嫌がらせや妨害からも守ってもらえる
退職する段階で何らかの疾患(病気、うつ病、ハラスメントからくる体調不良)になっている状態で会社へ退職の意思表示を行うのはあなた自身が行うのは大変困難な事です。
そんな場合でも弁護士であればあなたの代理となって退職出来るように取り計らってくれます。
またこれらの疾患が労働環境を起因とすものである場合は、労災認定の手続きや交渉、賠償請求を行う事も弁護士の退職代行では可能です。
さらに退職する依頼者に対して解雇や損害賠償などで会社側が反抗してきた場合も盾の役目を弁護士が果たしてくれます。
それにより会社から不当に解雇となる率、損害賠償請求される率もぐっと下がり安全に退職することができます。
弁護士の退職代行専門料金はお得なのか?
先程は一般的な弁護士費用の紹介と退職代行専用料金との比較を行いました。
確かに普通に弁護士へ依頼するよりは安くなりますが、あくまで弁護士費用の相対的な比較での話でした。
では退職代行専門料金と退職代行業者とで掛かる費用を比較してみましょう。
正社員 利用料金 |
アルバイト 利用料金 |
オプション費 | その他 | |
弁護士の 退職代行 |
約50,000円前後 | 約42,000円前後 | 固定料金 (10万~20万、 0の事務所も有) + 成功報酬の20%前後 |
郵送料・手数料等 |
退職代行 業者 |
4,980~55,000円 | 4,980~54,000円 | ほとんど0円だが 一部業者に設定有 |
0 |
弁護士の退職代行料金は代行業者の料金帯にまで値下げされたので、利用はしやすくなっている事がこの表からも分かります。
ただし、その他の料金は別途請求されますので注意が必要です。
固定料金内の退職代行なら弁護士の方がお得か?
上記表で弁護士の退職代行が正社員で約50,000円とありますが、この料金で対応してもらえる退職代行の内容は実は退職業者が行うサービスとほとんど差がありません。
つまり退職に関する問題点が無い(特に金銭請求)場合の料金になっています。
もしあなたが退職する会社との間に解決すべき交渉事がある場合、これまで本記事中で説明・紹介してきた通り、弁護士が行う退職代行業では非弁行為に抵触しないので全て弁護士にお任せする事が出来ます。
退職日の調整や有給休暇の調整、嫌がらせや妨害行為があっても全て弁護士が矢面で対応してくれるのも料金に含まれていますので、その分弁護士事務所がお得と言えるでしょう。
ただし、交渉関連でも金銭請求に関するものや、訴訟に発展する交渉事案の費用についてはオプション費(交渉料や成功報酬)として別途請求される金額となります。
交渉内容の結果次第では最終的な退職代行の支払い額が大きく変わる事になります。
知らないと大出費もある金銭請求依頼の成功報酬は?
具体的な数字を出してもう少し分かりやすい例を挙げていきます。
退職時に会社に対し未払い賃金や残業代の請求交渉を弁護士に依頼します。
その結果一定額が支払われた時の成功報酬のオプション費を支払額別で算出しています。
※オプション費として固定料金15万+成功報酬の20%を支払う設定
- 1円も払われない(0円)・・・オプション費は0円
- 10万円・・・・・・・・・・・15万+2万=17万円が成功報酬(7万赤字)
- 20万円・・・・・・・・・・・15万+4万=19万円が成功報酬(残1万)
- 80万円・・・・・・・・・・・15万+16万=31万円が成功報酬(残49万)
折角交渉で金銭を支払ってもらっても場合によっては支払いで赤字となったり、微々たる金額しか手元に残らない場合もあり得ます。
成功報酬で赤字となった場合の差分(足りない分)は請求しない事務所もありますが、不足分の支払いが無いだけで手元にお金は残りません。
ただし、このお金は交渉しなかったらそもそも1円も戻ってこない可能性も有る為、これらの交渉は十分に弁護士と相談と確認を行った上で利用しましょう。
退職代行を使うと賠償請求される?過去事例を3つ紹介!
ここまでいろいろ退職代行について書いていますが、そもそも退職代行を利用する事で損害賠償を請求される可能性はあるのでしょうか?
結論から言えば退職代行を利用しただけではそのようなリスクは低いです。
ただし、労働者側(あなた)に、雇用契約上の義務に違反する行為があれば、会社が損害賠償請求を起こす可能性は無いとは言えません。
この場合でも退職代行の利用がその理由になる事はありません。
依頼者が会社に対して違反する行為などが無い場合に脅し文句として使ってきた場合は逆にこちらから損害賠償請求を起こす事も対処の方法になります。
ここからは過去に退職に関する事で裁判になった事例を3つほど紹介します。
賠償過去事例①『ケイズインターナショナル事件』
『ケイズインターナショナル事件』(東京地裁 平成4年9月30日)
特定の業務を担当する為に採用した従業員が四日後から病気を理由に欠勤した後に退職してしまいました。
その結果、取引先との契約が解約になってしまいました。
退職した元従業員は一旦会社に対し損害金として200万円の支払いを行う約束をしました。
しかし、その後も200万円の支払いは行われずに裁判へと発展しました。
裁判の結果は会社の損害賠償請求が認められ、元従業員は200万円の3分の1の70万円の支払いを命じられました。
無期雇用契約で急に退職した人に対する損害賠償請求が認められた珍しいケースです。
会社が損害を被っても個人で損害額全てを支払う事は実際には相当稀なケースとなる。
賠償過去事例②『ラクソン事件』
『ラクソン事件』(東京地裁 平成3年2月25日)
取締役兼営業本部長が会社の経営に不満を持ち取締役を辞任しました。
その後秘密裡に同社の複数の社員移籍を計画します。
そして慰安旅行を装って大量の社員を連れ出して旅行先で彼らの説得を行います。
説得により大量の社員と共に自身も競業他社に入社し、社員の大量移籍を成功させます。
裁判では計画的で背信的な引き抜きと判断され、会社側の損害賠償請求が認められました。
この裁判では会社側が損害賠償として請求額は1億円で訴えていましたが、判決で支払いを命じられた金額は因果関係が認められる上限の870万円でした。
この裁判も会社側の損害が認められて個人に損害賠償請求が認められたケースですが、やはり支払額については全てを個人に支払わせる事はありませんでした。
賠償過去事例③『プロシード事件』
『プロシード事件(横浜地裁 平成29年3月30日)』
入社9カ月程の新卒の新入社員が退職を申し出て翌日から欠勤しました。
どうやら入社後の就労環境が原因による精神疾患(躁鬱病)を発症した為で、一旦会社も退職を認めます。
会社を退職した元社員はそれから2カ月も経たずに他社に再就職します。
会社はこの事実を知って詐病(病気を偽る事)による退職として元社員に損害賠償請求を起こしました。
これに対して元社員も不当として反訴します。
裁判では会社側の請求が棄却され元社員の主張が認められ会社側に慰謝料の支払いが命じられました。
この裁判では正式な手続きを経て退職をしている元社員に対して、会社側が敢えて賠償請求を行った事が不当であると判断されました。
退職代行に弁護士は必要?
本記事で紹介した事例以外にも実際には裁判になったものが沢山あります。
実際に裁判にまで発展する事例はどれも稀なケースになりますが、これらの様な賠償が起こされる可能性はゼロではありません。
そうならない為にも退職代行を行う時に弁護士を利用する事も無用なトラブルを避ける方法になります。
高い費用を払っても選ぶべき弁護士事務所は?
この記事では弁護士の退職代行料金の相場と高額でも利用される理由についてまとめてきました。
退職代行業者と比べると依頼内容によっては費用が相当高額にはなりますが、弁護士でしか出来ない仕事があり、どれもあなたの利益や安全を守る事に繋がっています。
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